偵察山行(横尾尾根)
2008年 11月 08日
横尾尾根は横尾から槍穂高連峰の稜線に突き上げている尾根で、この時期、下部は藪漕ぎ、上部は雪で、とても感動的な景色が見れました。が、僕には池下先輩のような文章力が無いので(笑)、写真をたくさん貼っときます。
31日(金)
新宿=(さわやか信州号)
またまた、ゲン担ぎで豚珍館へ。もはや、外せない・・・。バスターミナルには橋原コーチが見送りに来て下さり、差し入れまでいただく。美味しく食べました!ありがとうございました。
1日(月) 雪のち晴れ
=上高地~横尾~1のガリー偵察(往復)~横尾尾根P0・1間~P2
上高地は雨混じりの雪。風もあり木々が鳴いている。寒い・・・。でも横尾に着く頃には晴れてきて、雪を被った穂高や屏風岩を見ることができた。
さて横尾尾根に取り付いてみると、予想はしていたが、なかなか濃密な熊笹だ。ゆうに僕らの背丈を越え、池下先輩の姿が見えない・・・。常にコールし合いながら進む。これって冬はちゃんと埋まるのかな・・・。結局この日は終日熊笹と戯れた。
2日(火) 晴れ
~P3~小岩峰~P4~P5~P6手前
P2を越えると、ようやく熊笹はおとなしくなってくれる。UP・DOUNを繰り返す。なかなか疲れる。おまけに、雪の積もり方が中途半端であり、頻繁にハイ松の隙間を踏み抜き、足をとられる。あぁ~面倒臭いぜ。時折、雪が吹きだまっている・・・。
今日はP6手前の眺めの素晴らしい所にテントを張る。横尾尾根上には勿論僕らしかおらず、とても静かだ。空には灯りが浮かんでいる。きっと営業終盤の北穂山荘だ。。。綺麗な星空だった。
~P6~横尾の歯~P7~P8~天狗のコル~
横尾尾根の核心と言われている「横尾の歯」へ。難しくは無かったが、時間がかかってしまった。
P8あたりで、朝から泣き出しそうだった空からついに雪が舞い落ちる。それでも天狗のコルではまた止む。なかなか寒々しい天気だ。さぁ、あとは主稜線まで最後の登りだ。
最後の登りは、巨岩がゴロゴロしており、度々雪で隠れている岩と岩の隙間を踏み抜き、抜けるのに労力を使う。雪も増えだし、膝上まで潜り、股下まで潜る場所もある。
最後の岩場で日が暮れてしまったので、斜面を切り崩し、やっとテントを張れるだけのスペースを作る。落ちないように、テントをしっかり固定する。傾いていて、体を丸めて寝る、非常に眠りづらい。夜から風雪になる。
4日(木) 風雪のち晴れ
~槍穂高主稜線~中岳~大喰岳
夜から風雪が続いている・・・。でも明るくなると、朝が来ると、とてもホッとする。朝、新雪が膝丈に積っていたので除雪する。天気が回復するまで待機することに・・・。
今日は大喰岳山頂の窪地にテントを張る。すごい風だ!テントが飛ばされないように慎重に立てる。風上を向くと息ができないくらいだ。苦労してテントを立て、中に急いで入る。う~ん、やっぱり風が無いだけでとても温かく感じる、火をつければとてもホッとする。テント、壊れないかな・・・。
5日(金) 晴れ
~大喰岳西尾根~槍平小屋~新穂高温泉=新宿
昨夜は12時頃、吹きだまった雪でテントが狭くなってきたので、夜中に除雪をする。膝上位の雪だ。
朝になると風が弱くなっており、外が静かだ。外を見てみると、何とも素晴らしい眺めだ。東の空を見れば、太陽が出る直前で、水平線が濃いオレンジ色に染まり、反対の西の空を見れば淡いピンク色に染まり、穂高に続く稜線や笠の方が、ピンクに染まっている・・・。思わずため息が出てしまうほどに美しい。そして時折舞い上がる雪が太陽に照らされキラキラと反射している。厳しい凍てついた空気だが、大自然が僕らに見せてくれる眺めは、心を温めてくれる。身震いするぐらい綺麗な世界だ。
大喰岳西尾根はスタスタ下降し、これが「宝の木」か、と確認する。なんでこんなに濃い青色なんだろう?と思うほどの青空。そしてその青空に枝先を伸ばす、冬枯れのダケカンバ。僕はダケカンバが木の中で2番目に好きなのです。
そして1番好きなのはカラマツ。これは新穂高温泉への林道で見れました。ちょうど紅葉の見頃ラストといった感じで、済んだ秋の青空に、たくさんの木々が黄金色に輝いて僕たちを癒してくれました。白出沢(?)~新穂高温泉の林道は、静かで、実は隠れた紅葉のスポットだったりして・・・。風雪のあとに見る紅葉、なかなかイイもんですね・・・。
偵察ながら、色々な経験ができて、そして改めて大自然の素晴らしさ、山の素晴らしさ、登山の素晴らしさを感じさせてくれた5日間でした。
鈴木